開業するなら必須!確定申告で困らないためのエステサロン経費の管理術

個人事業主としてエステサロンを開業したからには、毎年の確定申告を行わなければいけません。やらなければいけないとわかっていても、慣れない経費の計算や帳簿付けに頭を悩ませているオーナーもいるのではないでしょうか?

確定申告の直前で慌てないためにも、あらかじめ経理に関する知識を集め、正しく帳簿を付けておくことが大切です。確定申告に必須となるサロン経費の管理術を確認しておきましょう。

確定申告のために正しく経費を管理しよう

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確定申告を行うことによって、前年度の利益から、支払うべき税金が計算されます。エステサロンの売上総額から必要経費を引いたものがサロンの利益であり、そこからさらに控除を受けて税額が計算されます。控除額は決まっているため、節税を行いたい場合には、必要な経費をしっかり算出しなければいけません。

個人事業主の場合、基礎控除38万に加え、青色申告時の特別控除65万が営業利益から差し引かれます。そこからさらに、社会保険控除や医療控除などを差し引いたものが所得税の課税対象です。サロン経費を正しく把握して計上し、無駄のない経営を行いましょう。

開業後も扶養控除内で働きたいときの注意点

独立開業したサロンオーナーでも、条件によって配偶者の扶養に入ることが可能です。

配偶者控除の条件は、
①控除を受ける人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること
②年間の合計所得金額が38万円以下であること
③その年に青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていない又は白色申告者の事業専従者でないことです。

配偶者控除の適用がない方で、①の条件を満たしている場合には、配偶者特別控除の適用を受けることができます。配偶者特別控除の条件は、年間合計所得金額が38万円超123万円以下であること、②その年に青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていない又は白色申告者の事業専従者でないことです。

気を付けておきたいのが、健康保険の被扶養者条件です。保険の種類によって条件は変わりますが、国民健康保険の場合は年間収入130万円未満が対象となります。収入には雇用保険の失業等給付や出産手当金なども含まれますので、申請する前に確認しておきましょう。

エステサロン経費で注意しておきたい4つの勘定項目

確定申告の下準備としても欠かせない帳簿付けは、経営の流れを知るためにも大切な作業です。とはいえ、悩ましいのが、帳簿で使用する勘定項目の振り分け方でしょう。どの勘定項目で処理すればいいか迷ってしまい、統一性がなくなると、見返すときにも困ってしまいます。売上帳簿のなかでも、特に誤解しやすい勘定項目をまとめます。

・法定福利費

サロンが負担する福利厚生に関する保険料のことです。主に社会保険料や労働保険料などに当たりますが、この勘定項目では、個人事業主である「オーナー個人の保険料のみ」が該当します。スタッフや家族のものと混同しないように注意してください。

・保険料

「保険料」の項目は、「店舗の損害保険料」の計上に使用します。個人の生命保険料は、医療控除として一緒に差し引かれますので間違わないようにしましょう。同じく、スタッフの保険料分もここで計上する必要はありません。

・接待交際費

接待交際費は、お客様や取引先との飲食代や贈答品などの費用です。慶弔費も接待交際費に当たります。スタッフとの打ち合わせにかかった飲食費用は、接待交際費ではなく会議費として処理しましょう。

・開業費

サロン開業準備のために使った食事代や交通費、書籍代などをこの勘定項目で計上します。多額になりやすく、開業後数年間の納税額に大きく影響します。経営セミナーや専門スクールへの参加費も計上可能です。

経費をわかりやすく管理するポイント

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確定申告で経費と認められるのは、経営に関わるものに限られます。特に自宅の一部をサロンとして利用する場合には、家庭内の費用と混同しないように注意しなければいけません。正しい経営が続けられるよう、普段から区分を明確にし、けじめをつけて管理しましょう。

・エステサロン専用の銀行口座を作る

仕事とプライベートで、金銭のやりとりをしっかり区別するためにも、エステサロン専用の銀行口座を作っておきましょう。サロン名(屋号)と開業届、オーナーのマイナンバーがあれば、サロン名義の口座を作れます。開業届の控えは必ず保管しておきましょう。また、口座の届け出に必要な印鑑も、家族と共有ではなく、サロン専用のものを作っておくとよいでしょう。

・自宅サロンの経費は、確定申告に向けて比例配分する

自宅サロンで使用する通信費や水道光熱費、消耗品費などは、プライベートと区別しにくいのが難点です。確定申告時には、全体使用分からサロン使用分だけを配分する必要があります。家全体の面積から、自宅サロンとして使用する割合をもとに計算してみましょう。広さはもちろん、使用した時間も考慮して、納得できる割合を計算することが大切です。

・領収書やレシートを勘定項目別に保管する

確定申告を行う場合、領収書やレシートなど、経理の資料となるものは7年間の保管を求められます。後で見返すときにわかりやすいように、勘定項目別に分けておくとよいでしょう。紛失しないように注意し、いつでも確認できる状態で保存しておきましょう。

確定申告に必要な書類を確認しよう

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確定申告の時期が近づいて来たら、必要な書類をそろえましょう。通常、2月半ばから3月半ば頃までの期間で、確定申告を行うことになります。確定申告には、白色申告と青色申告がありますが、開業時に申請した方法で実施します。どちらの場合でも、ギリギリで申告準備をしていると、思わぬミスが起こりがちです。早目に準備しておくとよいでしょう。

早めに用意しておきたい申告用の書類

オーナーが毎年の確定申告で税務署に提出する書類には、確定申告書B、青色申告決算書、源泉徴収票があります。また、各種控除を受けたい場合には、控除を受けるための証明書や経費の資料となる領収書などを用意しておきましょう。確定申告書Bと青色申告決算書の用紙は、税務署に取りに行くほか国税庁のHPからでもダウンロードできます。詳しい書類の内容を以下にまとめました。

・確定申告書B

確定申告書には「確定申告書A」と「確定申告書B」がありますが、個人事業者は「確定申告書B」を提出します。退職所得や利子所得など一時的に得た所得が大きいケース、または所得金額が赤字になるケースは確定申告書Bだけでなく、損失申告用の申告書も必要になります。

・青色申告決算書

青色申告決算書は青色申告をするために欠かせない書類です。青色申告決算書を提出することで、65万円の特別控除が受けられます。複式簿記で帳簿をつける必要がありますが、専門家に依頼したり会計ソフトを活用したりすることで経理の負担が軽減します。

・各種控除を受けるための証明書

医療控除や住宅ローン、社会保険、寄付などの各種控除を受けるためには明細書などの書類が必要です。書類が複数必要な例として医療費が年間10万円を超えた場合は、医療費や交通費などの明細書を用意します。ほかにも住宅ローン控除を初めて受けるときには、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、住民票の写し、売買契約書の写し、登記事項証明書の原本、金融機関の住宅ローンの残高証明書が必要です。

・必要経費の領収書

所得控除を申請するためには、計上する経費の領収書が必要です。税務署で確定申告の書類をチェックしてもらうときには領収書を持参しますが、確定申告書を郵送するときやオンラインで確定申告をするときは提出する必要はありません。ただし、経費として計上した分の領収書はオーナーが7年間保管する義務があります。

・源泉徴収票

源泉徴収票とは、その年の年収と支払った所得税額が記載されている書類です。源泉徴収票は報酬を支払ったものが、報酬の支払いを受けたものに発行します。個人事業主のオーナーでも、業務委託契約をした場合には必要になります。

サロンオーナーが白色申告をするメリットはあるの?

白色申告は、単式簿記で確定申告を行うので、記帳がシンプルで分かりやすいという特徴があります。青色申告より申告処理で悩むことが少ないので、オーナー自身が経理を担当する場合はメリットが大きいかもしれません。

ただし、白色申告と青色申告では、特別控除が受けられるか否かという違いがあります。青色申告決算書を提出すれば65万円の特別控除を受けることができるため、節税効果が高まります。特別控除が必要ないほど所得が少ないのであれば、経理事務の負担が少ない白色申告でも問題ないでしょう。

しかし、将来的にサロン経営の規模が大きくなることを考えると、最初から青色申告に慣れておくのがおすすめです。

経費の管理コスト軽減には会計ソフトの活用を

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経費の管理をスムーズにする方法はさまざまですが、個人事業主でも利用しやすいツールのひとつに会計ソフトがあります。会計ソフトは税理士に依頼するよりもコストが安く、サロンの銀行口座やクレジットカード、電子マネーの使用履歴を引用することで自動記帳が可能なのがメリットです。

2018年3月の「クラウド会計ソフトの利用状況調査」(株式会社MM総研)では、28.4%の個人事業主が会計ソフトを利用しています。会計ソフトには買い取り型のパッケージソフトと毎月使用料を払うオンラインソフトの2種類があり、パッケージソフトの利用率は75.5%ですが、若い個人事業主を中心にオンラインソフトの利用率が年々増加傾向になっています。

パッケージソフトとオンラインソフトの大きな違いは、料金の支払い方法とサポート体制にあります。パッケージソフトは一度買えばそれ以上の料金はかからないことが特長です。ただし、法制などに合わせた細かいサポートを自動で受けることはできないため、消費税の税率が変わったときなどには、その都度新しいものに買い直す必要があります。一方、オンラインソフトは定期的な料金が必要になりますが、常に最新の法制に自動で対応するという特長があります。

記帳指導を受けてみよう

経理業務に慣れず、正しい記帳ができているかを不安に感じているのであれば、税務署で実施されている無料の記帳指導を受講するという方法もあります。国税局が準備した体験版の会計ソフトも利用できるうえ、税務指導員や税理士による指示により、正しく記帳するポイントや確定申告の準備方法などを学ぶことが可能です。地域によって実施日や利用条件が異なるため、受講が可能かどうか近くの税務署に問い合わせてみましょう。

確定申告で困らないためにはこまめな経費管理を

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確定申告で困らないためには、経費を正しく把握し、領収書などを分けて管理すること。時間を見つけてこまめに帳簿を記帳しておけば、確定申告にかかる時間を大幅に短縮できます。白色申告ならば少ない労力で確定申告できますが、将来を考えると青色申告に慣れておくほうがいいでしょう。会計ソフトを活用すれば青色申告でも負担の軽減は可能です。

節税効果を高める方法としては、初年度以降に開業費を経費として処理するのがおすすめです。開業費は開業後、初年度でなくてもいつでも経費として計上できます。開業準備中の領収書やレシートは、初年度の経費分とは別に保存しておきましょう。

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