エステティシャンに職業病はある?原因やケアの方法

エステティシャンは美や癒しのプロ。お客様の肌を健康に保つには、自身の体調管理も大切な仕事の一部です。とはいえ、エステティシャンならではの職業病もあります。その主な症状としては、手荒れ・腱鞘炎(けんしょうえん)・脚のむくみ・腰痛などが挙げられます。事前にケア方法を知っておけば対策もしやすくなるはず。それぞれの原因と対策についてご紹介します。

エステティシャンの職業病その1:手荒れ

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エステティシャンの手は多くのお客様に直接触れるため、こまめな手洗いや殺菌を行いながら、常に清潔を保つ必要があります。日に何度も手洗いを繰り返すうちに、必要な皮脂まで奪われてしまい、結果的に乾燥を招きやすいのが難点です。乾燥した肌に洗浄剤の成分である界面活性剤などの刺激が加わることで、あかぎれやかさつきといった手荒れを起こしてしまうことがあります。手のひらには皮脂腺がないため、皮膚のバリア機能となる皮脂膜が作られにくいことも誘因のひとつといえるでしょう。

こうした手荒れから肌を守るには、油分の喪失を防ぎ、保湿を行うのがポイントです。洗剤を使用する際は、手袋をして手をガードしたり、できるだけぬるめのお湯を使うようにしたりと、まずは刺激のもとを減らしてみましょう。そのうえで、手洗い後には、こまめにハンドクリームを塗るといったケアを取り入れるのが効果的です。ただし、手荒れが悪化してしまってからでは自分で対処しきれないこともあります。保湿クリームを塗っても改善しないときは、早めに皮膚科を受診しましょう。

お客様に直接触れる「手」はエステティシャンの命ともいえるもの。ふっくらとした手は目を閉じて施術を受けているお客様にとって快刺激となるばかりでなく、お客様のコンディションを感じ取るセンサーの役割も果たします。エステティシャンとして常にベストな状態で施術に臨めるよう、メンテナンスしておきましょう。

エステティシャンの職業病その2:腱鞘炎

ボディエステの初心者に起こりやすいのが手指の腱鞘炎です。同じ部位の使い過ぎによる慢性疲労が主な原因で起こります。手指の筋肉の端に付いている「腱(けん)」は、筋肉と骨をつないでいます。「腱」は「腱鞘(けんしょう)」という袋に包まれ、手首のところで関節のサポーターである「靭帯(じんたい)」に束ねられています。

施術経験が少ないうちは、負担になりにくい身体の使い方が身についておらず、手指の力に頼ってしまったり、手指の筋肉そのものが弱いため疲労しやすかったりと、腱のついている関節を動かすときに痛みが生じます。痛みは炎症のサインと考え、施術時以外も痛むようになったら、無理をせずに整形外科を受診しましょう。

腱鞘炎の対策として、まずは痛みや炎症を抑えるためにアイシングをするのがおすすめです。悪化を防ぐためには、手だけに負担がかからないよう、施術姿勢を見直しましょう。身体全体をうまく使うためにストレッチをしたり、ボディメカニクスの視点から腰を落として身体全体を使って施術する方法を取り入れたりして、できるだけ楽に施術ができるような方法を見つけてみましょう。炎症のないときは、手指の筋力をつけるため指立て伏せを推奨しているサロンもあります。

エステティシャンの職業病その3:むくみ

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エステティシャンに起こりやすいむくみの主な原因は「長時間の同じ姿勢」によるもの。長時間同じ姿勢で筋肉を動かさないでいると、血液や身体の水分の流れが悪くなり、むくみとなって表れます。仕事を始めて間もない場合は、今まで使ってこなかった部位の筋肉疲労により血液や水分の流れが悪くなることもあります。

対策としては、勤務中であれば引き締め効果のある着圧ソックスを履いたり靴に中敷きを敷いたりして、負担軽減をするのも良いでしょう。ベストなのは“天然のソックス”、すなわち筋力をつけること。仕事中も立ち姿、歩く姿勢を意識して、かかとの上げ下げ運動のような簡単にできることを行いましょう。帰宅後は入浴やセルフマッサージなど、循環を促すケアがおすすめです。

ほかにも、むくみの原因として「緊張」によるもの、「塩分の過剰摂取」などが挙げられます。慣れない勤務による「緊張」から生じるむくみであれば、ゆったりとした時間を持つとよいでしょう。リラックスし、副交感神経を優位にした状態は末梢の毛細血管を拡張するため、結果的に血液の循環を高めます。

塩分の「過剰摂取」もむくみを招きます。疲れているときは、濃い味付けのものを好んで食べてしまいがち。カリウムには利尿作用を高め、むくみのもととなる過剰な塩分の排出を助ける働きがあります。女性に人気のアボカドや手ごろに入手できるバナナに多く含まれていますので、積極的にとるようにしましょう。

お客様のなかにも、むくみに悩む方は少なくありません。むくみ予防になるセルフケアを実践することで、お客様へのホームケアに、自信を持って提案できることでしょう。

エステティシャンの職業病その4:腰痛

腰痛の原因は、長時間同じ姿勢でいることや、腰を深く曲げた姿勢を続けること、疲労などが挙げられます。特に施術に慣れないうちは、誤った姿勢を続けることで腰痛を招くことがあります。

腰痛の対策は腱鞘炎と同様に、身体の一部に負担がかからないよう、施術姿勢を見直すことがポイントです。高さを調節できるベッドであれば、自分の身体に合った高さを把握し、細かく調節して使用するように意識しましょう。施術中は、背筋を伸ばして膝を落とし、身体全体を用いるボディメカニクスを意識します。首や腰を曲げてしまうと、負担がかかり疲労や痛みの原因となります。施術後は可能な限り腰を休めるようにしましょう。

加えて、腰痛予防には、日ごろからストレッチを習慣にすること。厚労省では「職場における腰痛予防対策指針及び解説」のなかで、ストレッチのポイントについて以下のように解説しています。

① 息を止めずにゆっくりと吐きながら伸ばしていく
② 反動・はずみはつけない
③ 伸ばす筋肉を意識する
④ 張りを感じるが痛みのない程度まで伸ばす
⑤ 20 秒から30 秒伸ばし続ける
⑥ 筋肉を戻すときはゆっくりとじわじわ戻っていることを意識する
⑦ 一度のストレッチングで1 回から3 回ほど伸ばす。

医療用コルセットや腰痛ベルトは、本来、痛みが強いときに患部を固定して安静を保つための道具です。習慣的に利用していると、自分自身の筋肉が発達せず、かえって弱ってしまう可能性も考えられます。痛みのひどいときには、無理をせず休職することも、長い目でみれば必要です。

正しい知識とケアで職業病は避けられる

エステティシャンは美しさを提案する職業です。手荒れや体調不良など、美や健康とかけ離れた姿は見せたくはないもの。職業病についても、正しい知識やケア方法を知っておけば避けることができます。また、仕事を長く続けていくためにも、日ごろから自身のメンテナンスを心がけましょう。

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